活動日誌

2018年3月27日

貧困化の進む市民の期待に応える積極的な財政運用を!…平成30年度一般会計予算に反対討論

今日、3月27日、3月市議会の最終日。私は、一般会計予算について反対討論絵お行いました。ほぼ、そのまま載せます。

議案第23号 福生市一般会計予算 反対討論 2018.3.27

日本共産党会派を代表して、議案第23号、平成30年度福生市一般会計予算について反対討論を行います。
平成30年度の予算を考える際に、もっとも大事なことは福生市民の生活実態についての認識
です。それをふまえてよさんは編成されなければなりません。この点について、私は一般質問で市長の見解を伺いました。市長は、徐々に景気回復しつつあるとする国の見解を踏襲しつつも、福生市の市民税の状況から、景気回復の影響は未だ、地域経済には及んでいないとの認識を示されました。市民の生活については言及ありませんでした。
私は、この認識を一歩進めていただくために、福生市民の所得階層別の人数構成がこの3年間でどう変化してきているかの資料を出していただきました。わかったことは、
① 9段階の所得階層の中で、下から2番目、3番目の低所得階層が際立って増えてきていること。
② 1番低い所得階層では15人減っています。所得が減って非課税義務者になる方が増えてきていること、
すなわち、市民の暮しは、「あまり大きな変化はない」のではなく、「所得を減らし、より低所得の階層に移行する方が増えてきている」のです。大きな変化です。市民の貧困化が進んでいるのです。この現状認識が重要です。したがって、予算編成に当たっては、この低所得階層の方々への一層の支援策が重要になるのです。それは、低所得階層の方々の窮状を救うだけでなく、地域経済の活性化にとっても重要な施策になるからです。その視点から、平成30年度予算は編成されることが大切です。

(1)低所得者が多く加入しているのが国民健康保険です。30年度から広域化されますが、福生市は国保税の値上げを決めました。一般会計からの繰り出し金を昨年並みの8億円を予算化すれば値上げしなくて済んだのに、どうして1億5千万円も減らしたのでしょうか。今でも、多くの方が払いたくても払えない高すぎる国保税がますます高くなるのです。平均所得が毎年下がり続けている国保加入者の悲鳴が聞こえてきそうです。

(2)子育て支援策についてです。共働き家庭 子育てしやすい街ランキング2位3位と続けてきても、人口減少、特に子どもと子育て世代の転出が止まらないことは深刻です。その点では、30年度、新しく子育て支援住宅整備助成事業を東京都の補助金を活用して新しく開始することは大いに評価するものです。これは私も以前から求めていたものであり、子どもの成長に伴ってワンランク広いアパートを求めて転出する世帯に、福生市に定住していただくための施策であり、現状にフィットした施策だと思います。今後さらに予算規模を拡充していってほしいと思います。保育士宿舎借り上げ支援事業も同様に評価いたします。これも一層の改善を期待します。
   しかし、私ども求めていたその他の子育て支援策では、期待外れでした。
① 学校教育における最も大きな保護者負担となっている学校給食費の無償化あるいは軽減事業は子育て支援策の中心事業として今、全国の自治体に広がっています。東京都や国にも影響を及ぼしつつあるこの事業に、「子育てするなら福生」を掲げる福生市がなぜ今もって後ろ向きなのか、残念でなりません。
② 生活保護基準の引き下げから子どもの教育を受ける権利を守るために、就学援助支給基準を生活保護基準の1.1倍以上に引き上げることを求めましたが、受け入れられませんでした。全国ほとんどの自治体でできていることが、なぜ福生市でできないのか、理解できません。このままでは。今年10月に予定されている2回目の生活保護基準引き下げで、就学援助から新たに除外される子どもが再び出てしまうことが心配です。

(3)地域振興についてです。市民生活が改善されなければ、地域の商店や自営業者の営業も改
善されません。しかし、安倍政権の下では、市長も認める通り、地域経済にはプラス効果はほとんどないのです。であれば、市民の最後の防波堤となって、福生市が頑張らなければなりません。 私どもがずっと求めてきた、市内業者の受注拡大に向けた取り組みが特にありません。公契約条例制定に向けた取り組みもみられません。さらに、福生子育てマル得カード事業については、不況にあえぐ市内商店や事業者に一方的な子育て支援を頼むことに無理があるのであり、これを一般市民も参加でき、行政も支援する事業に改善するようずっと求めてきていますが、 今回も全く盛り込まれませんでした。

(4)学校給食費の公会計化についてです。予算説明書に「30年度予算は新公会計制度におけるPDCAサイクルが初めて一周して編成される予算であり…コスト意識をもって…財政の効率化・適正化を図っていく」とあります。しかし、学校給食事業に関しては、予算書にはその名前さえなく、給食費事務と給食調理事業という部分的な事業が載っているだけです。2億円を超える保護者からの食材費の納入額と、食材購入費が予算書に載っていないのです。これでは、「コスト意識をもって…財政の効率化・適正化を図」ることはできません。新公会計制度の目的がここでは達成できていないのです。具体的には、給食費の滞納額も見えず、食材購入費が圧縮されていることも見えません。これを解決するには、学校給食費を私会計から公会計に切り替えてきちんと計上し、滞納分は予備費から支出すること、あるいは、学校給食費を無償化して、食材購入費は経常経費として予算化することです。どちらかを決断すべきでした。
私どもが毎年、何度も指摘しているのに、何ら改善されず、まともな理由も示されていないのはなぜでしょうか。理解できません。このままでは、福生市の新公会計制度は完結しません。

(5)横田基地問題です。北朝鮮の核ミサイル実験で、米軍横田基地を抱えている福生市民は核の脅威を現実的なものとして感じています。さらに、沖縄だけでなく、福生市や全国の基地で米軍機の事故が相次ぎました。部品の調達や整備士の養成など、構造的な欠陥が明らかになっています。さらに、福生市では横田基地の機能強化が進み、危険な降下訓練や飛行回数が増えています。人命にかかわる重大な事故が福生市でいつ起きても不思議でない事態が進行しています。今こそ、横田基地の撤去を求め、基地のない安全安心な福生市を目指す立場を明確にすべきです。そして、特に危険なオスプレイの配備や飛来の中止、危険な降下訓練の中止を求めるべきですが、そうした立場が示されませんでした。

以上5点に絞って、問題点を指摘しましたが、これらの改善策を実施するための財政上の問題です。福生市は東京26市の中で、公債費でも、積立金でも3番目に良い状況であることは何度も指摘しているところです。市民サービスの向上、子育て支援、地域振興のための更なる事業を実施するための財源は、他市と比較しても十分な可能性を保有しているといえます。今こそ、それを活用すべき時です。積立金は多ければ多いほどいいという市の見解は成り立ちません。市が根拠としている、大災害や公共施設管理の問題はどこの自治体にも共通していることです。それぞれの自治体の財政的状況を踏まえつつ、市民のために、生活苦に苦しむ多くの市民のために、どう最大限の施策を展開するかが問われているのです。その点で、30年度予算は、財政の積極的運用ができていないといわざるを得ません。

以上の理由から、議案第23号 福生市一般会計予算に反対であることを表明し、日本共産党会
派を代表しての討論とします。